日本大百科全書(ニッポニカ) 「舞鶴帯」の意味・わかりやすい解説
舞鶴帯
まいづるたい
日本の地体構造区分上、西南日本内帯における区分名の一つ。京都府北部の舞鶴市付近から西南西に延びて広島県付近に至る幅約20キロメートル、長さ約200キロメートルの地帯で、おもに古生代ペルム紀の舞鶴層群と、中生代三畳紀の夜久野(やくの)層群の浅海堆積(たいせき)岩類、および、古生代に貫入した夜久野複合岩類(花崗(かこう)岩質岩、閃緑(せんりょく)岩、斑糲(はんれい)岩、超塩基性岩など)によって特徴づけられる。夜久野岩類のなかの斑糲岩、超塩基性岩などは夜久野オフィオライトを構成する。これらのほかに、古生代石炭紀からペルム紀の放射年代をもつ変成岩が断片的に分布し、本帯が複雑な地史をもつことを示している。舞鶴帯の諸岩類はナップを形成しており、南東側の超丹波(たんば)帯の地層とともに、美濃(みの)‐丹波帯の中生代ジュラ紀付加体の上へ衝上している。また、舞鶴帯のナップは、北西側のペルム紀付加体のナップによって衝上されていると考えられている。
[吉田鎮男・村田明広 2016年2月17日]