良心的兵役拒否者(読み)りょうしんてきへいえききょひしゃ(英語表記)conscientious objector

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「良心的兵役拒否者」の意味・わかりやすい解説

良心的兵役拒否者
りょうしんてきへいえききょひしゃ
conscientious objector

宗教的,哲学的,思想的あるいは政治的な信条に基づき,武器をとること,兵役,そのほかあらゆる種類の軍事訓練を拒否する人のこと。宗教上の理由による兵役拒否ヨーロッパでは長い歴史があり,拒否者に対する迫害が絶えなかった。しかし第1次世界大戦中のアメリカイギリスで,宗教上の理由による兵役拒否が認められたのをきっかけに,現在では多くの自由主義諸国で,各種の理由による良心的兵役拒否が正式に認められている。兵役拒否の代償としては,一定期間に非軍事的任務あるいは公共の任務に従事することを義務づけられる場合が多い。戦時体制下のイスラエルなどでは,男性の兵役拒否は認められていない。日本でも日中戦争当時,キリスト教徒のグループが兵役を拒否した事件 (燈台社事件) があった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android