色取る(読み)いろどる

精選版 日本国語大辞典 「色取る」の意味・読み・例文・類語

いろ‐ど・る【色取・彩】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. ものに色をつける。着色する。彩色する。
    1. [初出の実例]「鴨頭草(つきくさ)に衣色取(いろどり)摺らめども移ろふ色といふが苦しさ」(出典万葉集(8C後)七・一三三九)
  3. 紅やおしろいなどを顔に塗って化粧する。
    1. [初出の実例]「額髪(ひたひがみ)をひきかけつつ、いろどりたる顔づくりをよくして」(出典:源氏物語(1001‐14頃)総角)
  4. いろいろな物をとり合わせて飾る。潤色する。
    1. [初出の実例]「十体(てい)の中(うち)を色どらば、百(もも)色にもなりぬべし」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)七)
  5. 身なりを装い飾る。めかす。
    1. [初出の実例]「俄(にはか)に髪形繕ふて、いろどるの、いろどるの」(出典:浄瑠璃久米仙人吉野桜(1743)二)
  6. 異性を意識して様子をつくる。色めいた身ぶりをする。気どる。
    1. [初出の実例]「肩に手をかけ歌祭文、鼻歌うたうて色どる所を」(出典:浄瑠璃・曾我虎が磨(1711頃)傾城十番斬)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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