花の心(読み)ハナノココロ

デジタル大辞泉 「花の心」の意味・読み・例文・類語

はな‐の‐こころ【花の心】

花に心があるものとしていう、その心。
うちはへて春はさばかりのどけきを―や何急ぐらむ」〈後撰・春下〉
花に寄せる思い。
「春の歌、―など、さ言ふ言ふも」〈二三

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「花の心」の意味・読み・例文・類語

はな【花】 の 心(こころ)

  1. 花に心があるものとしていう、その心。
    1. [初出の実例]「打ちはへて春はさばかりのどけきを花の心や何急ぐらん〈清原深養父〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)春下・九二)
  2. 相手の心をいう美称
    1. [初出の実例]「花の心開けざるや」(出典:枕草子(10C終)二七八)
  3. 花によせる思い。花についての風情
    1. [初出の実例]「春の歌、花の心など、さいふいふも、上臈ふたつみつばかり書きて」(出典:枕草子(10C終)二三)
  4. うわき心。

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世界大百科事典(旧版)内の花の心の言及

【東明節】より

…柳舟は初世吟舟の次女揚子で,夫の高橋箒庵(1861‐1937,本名義雄,芸名一舟)の作詞による作品を多く残している。代表作に《花の心》(1926),《此君》(1929)など,華麗で繊細な曲が多い。2世柳舟はその門弟竹若雄二郎(1916‐89)が1960年に若舟を経てついだ。…

※「花の心」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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