精選版 日本国語大辞典「風情」の解説
ふ‐ぜい【風情】
[1] 〘名〙
① 風流・風雅の趣や味わい。情趣。情調。また、それを解する心。
※菅家文草(900頃)一・戊子之歳、八月十五日夜陪月台「詩人遇レ境感何勝、秋気風情一種凝」
※俳諧・芭蕉句選拾遺(1756)僧専吟餞別之詞「此僧常に風情を好み市を避て」
② 事柄の内容の大体の方向。趣。流儀。
※平家(13C前)一「似るを友とかやの風情に、忠盛もすいたりければ、彼女房も優なりけり」
③ 様子。けはい。姿。態度。
※太平記(14C後)三八「倒るる処に土を爴む風情(セイ)をしたりけるよとて」
※風姿花伝(1400‐02頃)六「定めて言葉のままにふせいをせば、人体に似合はぬ所あるべし」
⑤ 身の回りを整えること。みだしなみ。
※浮世草子・好色一代男(1682)二「脇あけの下人に風情をつくらるるもあり」
[2] 〘接尾〙
① 名詞に付いて、…のようなもの、…に似通ったもの、…の類、などの意を添える。
※平家(13C前)一〇「長持三十枝に、葉金(はこがね)・染物・巻絹風情の物を入れてたてまつり給ふ」
※東寺百合文書‐ほ・正安二年(1300)八月一五日・伊勢大国荘雑掌申状案「かめわう丸風情にても候へ、下させおはしまし候べく候」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報