改訂新版 世界大百科事典 「芸術世界」の意味・わかりやすい解説
芸術世界 (げいじゅつせかい)
Mir iskusstva
1898年,ロシアのペテルブルグで創刊された芸術雑誌。また,この雑誌に参加した知識人,画家グループの名称。ディアギレフとベヌアを中心に編集され,D.S.メレシコフスキーらの文芸評論を掲載し,バクスト,セローフ,ソモフKonstantin Andreevich Somov(1869-1939),ドブジンスキーMstislav Valerianovich Dobuzhinskii(1875-1957)らの挿画で飾られた。西欧の同時代の芸術に刺激をうけ,反アカデミー,反リアリズムを指向し,1904年まで全12号を刊行。同人がバレエ・リュッスの母体になるなど,この雑誌は〈ロシア・アバンギャルド〉の一つの源泉となった。
執筆者:海野 弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報