改訂新版 世界大百科事典 「バクスト」の意味・わかりやすい解説
バクスト
Leon Bakst
生没年:1866-1924
ロシアの画家,舞台装置家。本名Lev Samoilovich Bakst。グロドノのゲットー(ユダヤ人街)で生まれ,ペテルブルグおよびパリで絵を学ぶ。やがてディアギレフを中心とする〈芸術世界〉グループ(1898結成)に参加し,ビアズリー調のさし絵を描いた。1909年にバレエ・リュッス(ロシア・バレエ団)が結成されるとバクストは舞台装置やコスチュームを担当した。09年から14年にかけての《クレオパトラ》《シェーラザード》《カルナバル》《バラの精》《ナルシス》《青い神》《タマール》《牧神の午後》《パピヨン》などの舞台は彼によって飾られている。その色鮮やかで夢幻的な装飾はファッションにも影響し,オリエント・ブームを創出した。
執筆者:海野 弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報