日本大百科全書(ニッポニカ) 「バクスト」の意味・わかりやすい解説
バクスト
ばくすと
Léon Bakst
(1866―1924)
ロシア出身の画家、舞台美術家。本名ローゼンベルクЛев Самойлович Розенберг/Lev Samoylovich Rozenberg。白ロシアのグロドノに生まれ、パリに死す。ディアギレフ主宰の雑誌『芸術の世界』に同人として参加していたが、1909年ディアギレフがロシア・バレエ団を組織するや、同団初期の舞台美術家として活躍。『シェヘラザード』『バラの精』『牧神の午後』『眠れる森の美女』その他の衣装、装置などを担当、原色を大胆に使った色彩でパリの観客を驚かせた。また、『シェヘラザード』の衣装などは当時のファッションにも影響を与え、P・ポツレのデザインによる鳥の羽を挿した帽子はその例である。
[市川 雅]