苦は色変える松の風(読み)くはいろかえるまつのかぜ

精選版 日本国語大辞典 「苦は色変える松の風」の意味・読み・例文・類語

く【苦】 は 色(いろ)(か)える松(まつ)の風(かぜ)

  1. 松に吹く風の音だけを聞いてゆうゆうと暮らしている世捨て人にも、苦労性質がかわっているだけで、やはりちがった苦労があるものだ。人間はどんな人でも、それぞれ苦労があるものだ。また、苦労にはいろいろあるものだの意。古歌(典拠未詳)の「浪の音聞かじと入りし山の奥に苦は色かへで松風ぞ吹く」によるか。
    1. [初出の実例]「苦はいろかゆる松かぜとほり風のふく様に、身にもしまぬ一時恋ものいふまもないあだしおとこと」(出典:浄瑠璃・薩摩歌(1711頃)中)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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