改訂新版 世界大百科事典 「英蘭協約」の意味・わかりやすい解説
英蘭協約 (えいらんきょうやく)
1824年にイギリスとオランダとの間で結ばれた協約。これによりアジアにおける両国の勢力範囲が確定された。ナポレオン戦争によってイギリス,オランダ両国の植民地支配の勢力範囲に大きな変動が起こり,東南アジアにおいてもイギリスのシンガポール占領(1819)をきっかけに,これに反対するオランダとの間に外交交渉が行われた。その結果,オランダはインドおよびマレー半島にあった商館,領土等を放棄し,一方,イギリスはスマトラ島にあった領土,商館等を放棄し,ほぼマラッカ海峡を境界線とする両国の勢力範囲を定めた。これにより,イギリス領インド,イギリス領マラヤ,オランダ領東インドといった植民地支配体制の確立が可能になった。
執筆者:生田 滋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報