茶歌舞伎(読み)ちゃかぶき

精選版 日本国語大辞典 「茶歌舞伎」の意味・読み・例文・類語

ちゃ‐かぶき【茶歌舞伎・茶傾・茶香服】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 茶道七事式の一つ。上林竹田などの仮銘を付した試茶二種をまず味わい、次に本茶として試茶二種各々二服と別の茶(客茶)一服の都合五服を飲み、その別を聞き分ける。
    1. [初出の実例]「茶かふき之式」(出典:茶道七字要書)
    2. 「茶歌舞妓の後坐は凉しき舟路香〈文母〉 浮世の外の実醍醐なり〈蓼太〉」(出典:俳諧・七柏集(1781)朱絃亭興行)
  3. ( 転じて ) 俳諧で、出席者がそれぞれ一句ずつ句をよみ、清書してこれを集め、全員に回覧し、句の作者をめいめいが言いあてること。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の茶歌舞伎の言及

【かぶき】より

…なお,江戸時代には傾茶(かぶきちや)という語も広まったが,これは中世いらいの闘茶(とうちや)の伝統をうけたもので,茶の銘を隠しておき,一同が飲み終わったあとで銘をあてて勝負をきめた。茶道の七事式の一つであり,別名を茶かぶき,略して傾(かぶき)ともいう。お国歌舞伎歌舞伎【横井 清】。…

【闘茶】より

…中国宋から渡来し,鎌倉末期から室町中期にわたって爆発的な人気をよんだ茶会の形式の一つ。回茶とも貢茶とも別称されることがある。本茶〈栂尾(とがのお)茶〉と非茶〈それ以外の産地の茶〉とを飲み分け,点数をつけながら賭物(かけもの)を取り合う一種の博奕(ばくち)であるため,茶勝負とか茶湯勝負ともいわれた。そのもとは中国の宋代の茶法に発しており,水質や茶の品種が争われたりしていた。日本に伝えられてからは,はじめ〈本非茶勝負〉と呼ばれていたが,のちには〈四種十服茶〉とか〈十種茶〉とか〈十服茶〉などと呼ばれるように,三種一客という4種類の茶で10服飲んで,それを飲み当てることを基本とするようになった。…

※「茶歌舞伎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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