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浮(き)世/憂き世 ウキヨ

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デジタル大辞泉の解説

うき‐よ【浮(き)世/憂き世】

《もとは「憂き世」の意》仏教的厭世観から、いとうべき現世。つらいことの多い世の中。無常のこの世。「―をはかなむ」
「散ればこそいとど桜はめでたけれ―になにか久しかるべき」〈伊勢・八二〉
死後の世に対して、この世の中。現実生活。人生。「―の荒波にもまれる」「―の義理」
つらいことの多い男女の仲。
「―をばかばかり水のはまべにてなみだになごりありやとぞみし」〈かげろふ・中〉
《漢語「浮世(ふせい)」を「うきよ」と解して》定めのない、はかない世の中。はかない世なら、浮かれて暮らそうという俗世の気持ちを含む。→浮世(ふせい)
「―は風波の一葉よ」〈閑吟集
「夢の―の、露の命の、わざくれ、なり次第よの、身はなり次第よの」〈隆達節
《近世初期から、現世を肯定し、享楽的な世界をいう》遊里。また、遊里で遊ぶこと。
「にはかに―もやめがたく」〈浮・二十不孝・一〉
他の語の上に付いて、当世風・今様の、または好色・風流などの意を表す。「―絵」「―姿」「―話」
[補説]本来は、形容詞「憂(う)し」の連体形「憂き」に名詞「世」の付いた「憂き世」であったが、漢語「浮世(ふせい)」の影響を受けて、定めない人世や世の中をいうように変化し、「浮き世」と書かれるようになった。

ふ‐せい【浮世】

はかないこの世の中。うきよ。

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大辞林 第三版の解説

ふせい【浮世】

はかない現世。うきよ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

浮世
うきよ

もとは形容詞「憂(う)し」の連体形に名詞「世」がついた語で、「憂世」と書く。平安時代後期から室町時代まで、仏教の無常観に基づく「憂(うい)」ことの多い現世を否定的にとらえる概念であった。それが江戸時代になり、前代の厭世(えんせい)的思想の裏返しとして、はかなく定めない世の中、また享楽的に送るべき世の中として、現世を肯定的にとらえることによって「浮世」と書かれるようになる。江戸時代に入って、ようやく経済生活を確立しつつあった現実的な町人生活がもたらした考え方でもあった。これから転じて、遊里や演劇といった享楽的欲望を満たしてくれる世界、また当代流行の風俗から男女間の恋愛にまで、この「浮世」の概念は拡大し、現世のあらゆる事相をとらえる概念に変質した。[棚橋正博]

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世界大百科事典内の浮(き)世/憂き世の言及

【浮世絵】より

…町人の絵画として,武家の支持した漢画系の狩野派とは対立するが,様式の創造的な展開のために,その狩野派をはじめ土佐派,洋画派,写生画派など他派の絵画傾向を積極的に吸収消化し,総合していった。安価で良質な絵画を広く大衆の手に届けるために,表現形式としては木版画を主としたが,同時に肉筆画も制作し,肉筆画専門の浮世絵師もいた。〈浮世絵〉という新造語が定着し始めるのは,版本の挿絵から一枚絵の版画が独立した直後の天和年間(1681‐84)のころである。…

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