莫切自根金生木(読み)キルナノネカラカネノナルキ

デジタル大辞泉 「莫切自根金生木」の意味・読み・例文・類語

きるなのねからかねのなるき【莫切自根金生木】

黄表紙唐来参和作、喜多川千代女画。天明5年(1785)刊。3巻3冊。金がありすぎて苦しむ大金持ちが、貧乏になろうとあの手この手を尽くすが失敗する話。題名回文になっている。

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精選版 日本国語大辞典 「莫切自根金生木」の意味・読み・例文・類語

きるなのねからかねのなるき【莫切自根金生木】

  1. 黄表紙。三巻三冊。唐来参和(とうらいさんな)作・喜多川千代女画。角書「順廻能名題家(まわりのよいなだいのいえ)」。天明五年(一七八五)刊。金があり過ぎて苦労の絶えない金満家が、貧乏になろうとあらゆる手段を尽くすがことごとく失敗し、ついには世界中の金が集まって居所もなくなるという話。題名は、逆からも同じに読める回文。

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世界大百科事典(旧版)内の莫切自根金生木の言及

【唐来参和】より

…版元蔦屋重三郎の義弟となり,本所松井町(墨田区千歳)の娼家に入婿したが,晩年は離縁され落魄のうちに終わった。最初,洒落本《三教色》(1783)を書き,翌々年の《和唐珍解(ほうとんちんけい)》が長崎丸山遊廓での唐人の遊興を描き,その詞を唐音でいわせ,日本語の訳を付けるという趣向で注目をひき,黄表紙《莫切自根金生木(きるなのねからかねのなるき)》(1785)が外題(げだい)の回文(かいぶん)の趣向と,金が出来て出来て苦しむという現実を逆転させた趣向によって黄表紙中の傑作と評価され,《天下一面鏡梅鉢》(1789)は寛政改革を風刺して評判になった。このほか《家内手本用心蔵(かなでほんようじんぐら)》(1798),合巻《敵討裏見滝(かたきうちうらみのたき)》(1809)などがある。…

※「莫切自根金生木」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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