デジタル大辞泉
「居所」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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きょ‐しょ【居所】
- 〘 名詞 〙
- ① 身を置くところ。居住する場所。いどころ。すみか。きょそ。
- [初出の実例]「其僧綱者、〈略〉然以二居処非レ一、法務不一レ備、雑事荐臻、終違二令条一、宜下以二薬師寺一、常為中住居上」(出典:続日本紀‐養老六年(722)七月己卯)
- [その他の文献]〔論語‐陽貨〕
- ② 連歌・俳諧で、人の住居に関することば。家、門、窓、垣、簾、隣などの類。
- [初出の実例]「居所体 軒端 床 里 霞のまど かど 室の戸 いほ」(出典:連理秘抄(1349))
- ③ 法律で、本拠となる住所に対して、多少の期間継続して居住する場所をいう。
- [初出の実例]「従来の住所又は居所を去りたる者」(出典:民法(明治二九年)(1896)二五条)
い‐どころゐ‥【居所・居処】
- 〘 名詞 〙
- ① すわっている場所。居る所。居場所。また、住んでいる所。すまい。住所。いどこ。
- [初出の実例]「大小の便利、坐所(ヰドコロ)にして、臭く穢(けがれ)たり」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))
- 「もはや大入(いり)にて居処(ヰドコロ)もなし」(出典:談義本・華鳥百談(1748)一)
- ② ( 居る所、すわりつく所の意から ) 尻。居敷。いど。
- [初出の実例]「通りさまに、そっと、いどころをつめったれば」(出典:天理本狂言・枕物狂(室町末‐近世初))
い‐どゐ‥【居所】
- 〘 名詞 〙
- ① 人がすわっている所。→おいど。
- [初出の実例]「吾がいどをたちはなるることないぞ」(出典:玉塵抄(1563)一)
- ② 板の間などの敷物。ござ。
- [初出の実例]「莞筵(ござ)をゐど」(出典:八多化の寝覚草(1848))
- ③ 人の居る場所。住んでいる所。
- [初出の実例]「我がい土では一処にかたまっているものぞ」(出典:史記抄(1477)一三)
い‐どこゐ‥【居所】
- 〘 名詞 〙 ( 「いどころ(居所)」の略 )
- ① =いどころ(居所)①
- [初出の実例]「居所(ヰドコ)を飛退く一人の女」(出典:人情本・英対暖語(1838)五)
- ② あるべき場所、位置。あるのにふさわしい、また適した場所、位置。
- [初出の実例]「おっとそこだそこだ〈略〉そこらが居所(ヰドコ)と思はるる」(出典:歌舞伎・黄門記童幼講釈(1877)五幕)
おり‐どころをり‥【居所】
- 〘 名詞 〙 いる場所。いどころ。
- [初出の実例]「徒らに塩焼衣ぬれてのみ哀れなるあまのをり所かな〈藤原信実〉」(出典:新撰六帖題和歌(1244頃)五)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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居所【きょしょ】
人と場所との密接の度が住所ほどでないが,なお生活の中心として多少の時間継続して居住する場所。住所の知れないとき,日本に住所をもたないときに,居所が住所の代りになる(民法22,23条)。
→関連項目寄留
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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居所
きょしょ
住所のように常住する場所ではないが、なお、生活の中心として、多少の時間、継続的に居住する場所をいう。
[編集部]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の居所の言及
【住所】より
…また,週の前半は東京で,週の後半は大阪で生活するような場合や,学生のように学期中は下宿生活し,休暇中は帰省する場合のように,複数の場所が生活の本拠となっている場合には,その双方が住所であると考えられている。1ヵ所に定住することなく,簡易宿泊所を生活の中心としているような場合や建設工事現場の宿泊施設に滞在しているような場合には,そのような場所を民法では居所と称し,住所と同等の取扱いをしている(民法22条)。[本籍]地は,ときとして住所と一致する場合もあるが,本来は夫婦およびこれと氏を共にする子の[戸籍]上の所在地であって(戸籍法6条),生活の本拠たる住所とは異なる。…
※「居所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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