菩提樹院跡
ぼだいじゆいんあと
現在の常磐公園付近にあった臨済宗寺院。正覚山と号し、本尊は釈迦如来。寺伝によると、養老五年(七二一)諸国に定められた定額寺の一つで、法相宗であったというが(「駿河記」など)、疑問とされる。嘉吉元年(一四四一)六月二日、京都よりの帰途駿府に立寄った太田資長(道灌)が「国府尼寺菩樹院」に宿泊している(慕景集)。このことから、当時の菩提樹院が国分尼寺に擬せられていたと思われる。寺伝によれば、武田氏の駿河侵攻の際に兵火にかかり、天正年間(一五七三―九二)頃に駿府西方の地に再興されたという(駿河志料)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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