菰角(読み)こもづの

精選版 日本国語大辞典 「菰角」の意味・読み・例文・類語

こも‐づの【菰角】

〘名〙 真菰(まこも)の茎に黒穂病菌が寄生して生じる、たけのこ状のもの。沖縄中国食用とする。日本の真菰には小形のものがやや高い位置にでき、熟すと黒い胞子ができて、お歯黒原料などとして用いられる。こものこ。こものね。こもぶつろ。こもぶつら。かんづる。《季・春》 〔本草和名(918頃)〕

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デジタル大辞泉 「菰角」の意味・読み・例文・類語

こも‐づの【×菰角】

マコモの茎に黒穂菌くろぼきんが寄生して生ずる竹の子状のもの。若いものは沖縄地方や中国などで食用とする。また、熟して黒くなったものを日本ではお歯黒などに用いた。こものこ。

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世界大百科事典(旧版)内の菰角の言及

【イネ(稲)】より

…糖工業用植物としては甘蔗(かんしよ)糖用のサトウキビやサトウモロコシがよく知られ,食用油としてはトウモロコシのコーンオイル,香料用の精油はコウスイガヤ,レモングラスなどのオガルカヤ属,それに近い一種のベチベル,ヒメアブラススキ類が用いられ,さらに将来はコウボウ属やハルガヤ属も有望視されている。野菜として若い茎を食用とするのがたけのこであるが,中国の菰角(こもづの)はマコモの若い茎が黒穂菌の寄生によって軟らかいたけのこ状に異常生長したものである。 飼料植物はイネ科とマメ科に多いが,イネ科では大量に生えて,生長が早く,無毒で動物が好むものならよいわけで,実に多数の種類が各地に知られている。…

※「菰角」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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