菱妻神社(読み)ひしづまじんじや

日本歴史地名大系 「菱妻神社」の解説

菱妻神社
ひしづまじんじや

[現在地名]伏見区久我石原町

永久元年(一一一三)久我家の祖、内大臣雅実が春日大明神を勧請したものと伝える(菱妻大明神御旧記)社名は初め「火止津目ひしづめ大明神」(火鎮)といったが、やがて菱妻に転訛したという。祭神天児屋根あめのこやね命。具平堂に久我家の祖具平親王を祀る。旧村社。現在の例祭は九月二〇日。中世には久我上こがかみ荘の鎮守であった。天文一四年(一五四五)八月吉日の「上久我大明神御神事御頭田寄地之事」と題する起請文(久我家文書)は、戦国期の菱妻神社(上久我大明神)祭祀を具体的に伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の菱妻神社の言及

【久我荘】より

…16世紀中ごろに久我荘預所となった竹内季治は,熱烈な法華信者で織田信長に反抗して殺され,久我家より給与された諸職のほか,多くの買得地,用水管理権などを含むその所職所領は,1572年(元亀3)細川藤孝に与えられた。上久我荘の鎮守菱妻神社は,久我家の援助を得て,名主座の9人の名主による輪番頭役制によって祭礼が営まれており,中世宮座の好例である。1585年(天正13)の太閤検地の際,久我家は指出しを提出。…

※「菱妻神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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