葭屋橋(読み)よしやばし

日本歴史地名大系 「葭屋橋」の解説

葭屋橋
よしやばし

東横堀ひがしよこぼり川に架かる橋で、京橋きようばし三丁目と北浜きたはま一丁目を結ぶ。天明三年(一七八三)東横堀ひがしよこぼり川北入口西岸にかに島の築地ができ、東岸京橋六丁目との間に架けられた(摂陽奇観)。橋名は蟹島の開発出願者葭屋庄七の屋号をとったものであろう(東区史)。当橋は大川と東横堀川の分岐点にあるため小舟が橋杭に当たり度々難儀した。このため橋杭なしで造られ(噺の苗)、浪花名所の一つとなった。「噺の苗」は「舟のみ歟燕よろこぶ葭屋はし」の句を載せる。「摂陽奇観」によると文政四年(一八二一)八月の大風雨で橋は破損、「天保山名所図会」によれば近年破損したのでついに柱を立てて修復したというが、橋杭一本の橋はほかになく奇観とされた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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