蒲原郡(読み)かむはらぐん

日本歴史地名大系 「蒲原郡」の解説

蒲原郡
かむはらぐん

越後国のほぼ中央、阿賀野川以南、西は信濃川河口から国上くがみ山に至る海岸線、東は信濃川下流一帯をさし、現新潟市・中蒲原なかかんばら郡・西蒲原郡南蒲原郡新津市・五泉市・白根しろね市・加茂市・三条市・燕市を含む。「和名抄」東急本国郡部は「加无波良」、「延喜式」民部省は「カンハラ」、同書神名帳は「カムハラ」の訓を付す。かんばらと通称される。初め越中国に属し、大宝二年(七〇二)他の三郡とともに越後国に入った(「続日本紀」同年三月一七日条)。郡名の初見は神亀三年(七二六)の山背国愛宕郡雲下里計帳(正倉院文書)で「越中国蒲原郡」とみえ、「戸出雲臣意美麻呂、年参拾肆歳、正丁」が和銅二年(七〇九)当郡に逃亡したことが記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報