蔵波村(読み)くらなみむら

日本歴史地名大系 「蔵波村」の解説

蔵波村
くらなみむら

[現在地名]袖ケ浦市蔵波・蔵波台くらなみだい長浦駅前ながうらえきまえ

奈良輪ならわ村の北東に位置し、西は江戸湾に臨む。西部南北に横断するかたち房総往還が通る。地内の神田かんだ遺跡から延文元年(一三五六)銘のものを含む武蔵型板碑(完形八基)や、南北朝期のものと推定される伊豆石を用いた五輪塔(一二基か)、また土坑から出土した北宋銭貨や土師皿が発見され、近在に有力者の存在が想定される。天正五年(一五七七)と思われる五月八日の井出時吉等連署書状(山本文書)に「蔵波前」とあり、小田原北条氏水軍の将山本氏が、たった一艘で里見方の敵船三艘と交戦し勝利を収めたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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