知恵蔵mini 「薬剤耐性マラリア」の解説 薬剤耐性マラリア 標準的な治療薬に耐性のあるマラリア原虫を持った蚊に刺されることで感染し、発症する病気。予防や治療が困難とされる。かつての特効薬クロロキンに耐性のあるマラリア原虫が1950年代に東南アジアで初めて報告され、インドやアフリカに広がって多くの死亡者を出した。以後、東南アジアではスルファドキシン・ピリメタミン合剤、メフロキンなど他の治療薬に対する耐性マラリアも確認されている。2007年には新たな特効薬であるアルテミシニンに耐性のある原虫がカンボジアで発見され、その後、タイ、ラオス、ミャンマー、ベトナムなどの大メコン圏へと拡大。今後、インドやアフリカに広がる恐れもあるとして、世界保健機関(WHO)は30年までに同圏内から熱帯熱マラリアを排除するという目標を掲げ、15年よりマラリア撲滅作戦を行っている。 (2017-9-26) 出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報 Sponserd by