藤の花(読み)ふじのはな

精選版 日本国語大辞典 「藤の花」の意味・読み・例文・類語

ふじ【藤】 の 花(はな)

  1. 晩春から初夏にかけて、藤の蔓に房になって垂れ下がって咲く花。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「妹が家に伊久里の森の藤花(ふじのはな)今来む春も常かくし見む」(出典万葉集(8C後)一七・三九五二)
  2. しんこ餠にささげをつけたもの。藤の実。
    1. [初出の実例]「ささげのついたしんこは、ふぢの花(ハナ)」(出典:女重宝記(元祿五年)(1692)一)
  3. (たこ)の卵。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の藤の花の言及

【タコ(蛸∥章魚)】より

…なますは酢ダコであるが,タコのかまぼこは珍しく,ほかには見られないようである。タコの卵巣は〈藤の花〉と呼ばれた。白い小さな卵粒の連なっているさまがフジの花房に似ているための名で,わん種や酢の物にして珍重される海藤花(かいとうげ)はその塩蔵品である。…

※「藤の花」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android