朝日日本歴史人物事典 「藤原信長」の解説
藤原信長
生年:治安2(1022)
平安後期の公卿。九条太政大臣と称される。関白教通と藤原公任の娘の子。22歳で参議となり,大納言,内大臣を歴任したあと,承暦4(1080)年従一位太政大臣となった。父から関白職を継ごうと画策したが,教通は兄頼通から将来は子の師実に譲ることを条件に関白職を譲渡されており,この約束を守って師実に関白職を譲ったため,希望は叶えられなかった。平安京左京の九条に邸宅を構え,邸内に一堂(九条堂)を建立し丈六の仏像を安置した。これはのちに城興寺と呼ばれ,信長の死後,白河法皇に寄進され平安末期に天台座主明雲から以仁王に伝領された。
(朧谷寿)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報