藤崎井用水(読み)ふじさきいようすい

日本歴史地名大系 「藤崎井用水」の解説

藤崎井用水
ふじさきいようすい

那賀町藤崎地域の紀ノ川北岸から水を引き、和歌山市黒谷くろだにに至る紀ノ川北岸沿い全長約二三キロの用水路。「続風土記」には「弁財天ノ森の西にて紀ノ川を堰きて堰路を作り、那賀・名草ノ二郡の内五十三箇村に灌漑す、堰路長さ六里半に及ふ」と記されている。この用水路は、学文路かむろ(現橋本市)庄屋の家に生れた大畑才蔵が、その土木技術力量を買われ、元禄九年(一六九六)和歌山藩普請方地方手代に抜擢され、同一二年に調査、翌一三年の春に着工、同年内に完成したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報