精選版 日本国語大辞典 「蘭科」の意味・読み・例文・類語
らん‐か‥クヮ【蘭科】
- 〘 名詞 〙 単子葉植物の科名。七三五属二万種以上が知られている。熱帯を中心に世界中に分布する多年草で、地上生、着生または腐生となる。花は通常総状花序かまたは穂状花序に咲き左右相称、内外二列の六花被があり、外側のものは萼(がく)片様で、内側の三枚のうち左右の二枚は花弁様、中央の一枚は通常大きく唇状弁となり時に距(きょ)がある。雄しべは一~二個。子房は下位で一室、内側に三列につく多数の胚珠がある。この胚珠は花柱受粉が起こらないと発達しない。この仲間を一つの科として扱うのは多少不自然であるとの見解から、次の三群の亜科、時にそれぞれ、または一部を独立の科とすることがある。放射相称花で、二~三個の葯(やく)があるヤクシマランの類、左右相称花で葯が二個、通常大きくふくらんだ唇弁を持つアツモリソウの類、左右相称花で葯がただ一個、仮雄しべを持たない類。日本にはこの仲間が多数自生し、シュンランやアツモリソウ、エビネなど、鉢植えにして観賞用とする。また、デンドロビウム、カトレアなどは外来種で切花や鉢植えにする。