岩石学辞典 「蛇紋岩化作用」の解説 蛇紋岩化作用 マグネシウムに富む鉱物が蛇紋石に変質する作用.さらにそれらを主成分とする超苦鉄質ないし苦鉄質火成岩などが蛇紋岩になる場合にも用いる.橄欖(かんらん)岩は固相の圧力が低く水蒸気圧が高い条件では比較的低温で橄欖石が不安定となる.蛇紋岩化作用では温度,圧力,水の量,水蒸気圧,水溶液中のSiO2(珪酸),CO2(二酸化炭素)などの濃度に関係して新しい鉱物種が形成される.一般にSiO2とH2O(水)が添加されMgO(酸化マグネシウム)が除去された場合には,蛇紋石を主とする鉱物が形成され,これを蛇紋岩化作用と呼ぶ.この作用にはH2Oなどの関与が大きく,H2Oは主に外部から添加されるが,添加された量によって新しく形成される鉱物の種類と量比が異なる.一般に橄欖岩岩体は周囲から蛇紋岩化作用を受けて変化すると予想されるが,岩体によって中心部が蛇紋岩化していることがある.これは自己変成作用(autometamorphism)として解釈され,残液とSiO2の添加によるとされる[鈴木 : 1994]. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報