酸化マグネシウム(読み)さんかまぐねしうむ(英語表記)magnesium oxide

日本大百科全書(ニッポニカ) 「酸化マグネシウム」の意味・わかりやすい解説

酸化マグネシウム
さんかまぐねしうむ
magnesium oxide

マグネシウム酸素の化合物。苦土(くど)ともいい、工業製品をマグネシア医薬品をマグネシアウスタともいう。

 金属マグネシウムを空気中で熱すると得られるが、工業的には、炭酸マグネシウムマグネサイト)、水酸化炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどを煆焼(かしょう)して製造する。白色結晶性固体。化学的には比較的不活性で、高温処理したものはとくにこの傾向が著しい。水にわずかにしか溶けないが、希酸には溶ける。空気中で水および炭酸ガスを吸収し、徐々に水酸化炭酸マグネシウムとなる。可視および近紫外光に対する反射能がきわめて大きく、光学機械の反射体、あるいは白色標準として用いられる。工業的には、マグネシアセメント原料、製鋼炉材、耐火れんがの原料として重要である。ゴム配合剤、医薬(制酸剤緩下剤)としての用途もある。

[鳥居泰男]


酸化マグネシウム(データノート)
さんかまぐねしうむでーたのーと

酸化マグネシウム
  MgO
 式量  40.3
 融点  2826℃
 沸点  3600℃
 比重  3.65
 結晶系 立方
 溶解度 0.62mg/100g
 屈折率 (n) 1.7364

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「酸化マグネシウム」の意味・わかりやすい解説

酸化マグネシウム
さんかマグネシウム
magnesium oxide

化学式 MgO。苦土,マグネシアと俗称され,天然にはペリクレースとして産出する。無色粉末。空気中では水と二酸化炭素を吸収する。融点 2830℃,沸点 3600℃。水に難溶であるが,酸には易溶。るつぼ耐火煉瓦,マグネシアセメント,吸着剤,触媒,制酸薬および下剤などに用いられる。

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