血管拡張性肉芽腫(読み)ケッカンカクチョウセイニクガシュ(その他表記)Granuloma teleangiectaticum

デジタル大辞泉 「血管拡張性肉芽腫」の意味・読み・例文・類語

けっかんかくちょうせい‐にくがしゅ〔ケツクワンクワクチヤウセイ‐〕【血管拡張性肉芽腫】

医学では肉芽腫は「にくげしゅ」という》毛細血管増殖によって生じる良性腫瘍。直径数ミリから1センチの赤く柔らかなしこりで、触れると出血しやすい。小さな傷が原因となって発症し、顔面手指などに好発する。妊娠時に発生することもある。化膿性肉芽腫

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六訂版 家庭医学大全科 「血管拡張性肉芽腫」の解説

血管拡張性肉芽腫
けっかんかくちょうせいにくげしゅ
Granuloma teleangiectaticum
(皮膚の病気)

どんな病気か

 皮膚や粘膜の比較的表面付近の血管から、毛細血管を構成する細胞が増殖してできた良性腫瘍です。通常、皮膚や粘膜の表面から突出して、その基部はくびれています。

原因は何か

 微小な外傷契機になり、毛細血管が反応性に増殖したものと考えられています。そのほか、妊婦に多いことから性ホルモンの関与も指摘されています。

症状の現れ方

 性差はなく男女ともに発症しますが、小児若年者に多くみられます。好発部位は手、なかでも手指と、顔面、とくに口唇です。

 鮮紅色の小さなしこりとして現れ、数週で急速に増大したあと増殖は止まります。皮膚からくびれをもって隆起することが多いのですが、なだらかに隆起する場合もあります。軟らかいしこりで表面から出血しやすく、かさぶたがついたり、湿っていることも少なくありません。大きさは通常1~2㎝以内です(図86)。

検査と診断

 特別な検査は必要なく、臨床所見から診断します。切除した場合には病理検査で確定診断することができます。

治療の方法

 手術が最も確実な治療法です。しかし、臨床診断が確実な場合には、液体窒素(ちっそ)による凍結療法を試みるのもよい方法です。この場合、数回の治療が必要になることが多いのですが、麻酔の必要はありません。

 そのほか、電気メスを用いて焼き落とす方法もあります。この場合には手術と同様に麻酔が必要です。

病気に気づいたらどうする

 皮膚科専門医を受診して、まずこの病気で間違いないかどうか診断してもらうことが大切です。本症であれば自然に治ることはほとんどないので、前述のいずれかの治療が必要です。

田村 敦志


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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