皮膚や粘膜の比較的表面付近の血管から、毛細血管を構成する細胞が増殖してできた良性腫瘍です。通常、皮膚や粘膜の表面から突出して、その基部はくびれています。
微小な外傷が契機になり、毛細血管が反応性に増殖したものと考えられています。そのほか、妊婦に多いことから性ホルモンの関与も指摘されています。
性差はなく男女ともに発症しますが、小児や若年者に多くみられます。好発部位は手、なかでも手指と、顔面、とくに口唇です。
鮮紅色の小さなしこりとして現れ、数週で急速に増大したあと増殖は止まります。皮膚からくびれをもって隆起することが多いのですが、なだらかに隆起する場合もあります。軟らかいしこりで表面から出血しやすく、かさぶたがついたり、湿っていることも少なくありません。大きさは通常1~2㎝以内です(図86)。
特別な検査は必要なく、臨床所見から診断します。切除した場合には病理検査で確定診断することができます。
手術が最も確実な治療法です。しかし、臨床診断が確実な場合には、液体
そのほか、電気メスを用いて焼き落とす方法もあります。この場合には手術と同様に麻酔が必要です。
皮膚科専門医を受診して、まずこの病気で間違いないかどうか診断してもらうことが大切です。本症であれば自然に治ることはほとんどないので、前述のいずれかの治療が必要です。
田村 敦志
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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