行交(読み)ゆきかう

精選版 日本国語大辞典 「行交」の意味・読み・例文・類語

ゆき‐か・う ‥かふ【行交】

〘自ワ五(ハ四)〙
① 行き来する。行ったり来たりする。往来する。行き通う。いきかう。
古今(905‐914)秋下・二六三「あめふればかさとり山のもみぢばは行かふ人の袖さへぞてる〈壬生忠岑〉」
太平記(14C後)二「勢多の長橋打渡り、行向(ユキカフ)人に近江路や」
物事が入れ替わり立ち替わり移ってゆく。あるものが行って、代わりに他のものが来る。
※古今(905‐914)仮名序「たとひ時うつり、ことさり、たのしびかなしびゆきかふとも、このうたのもじあるをや」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)旅立「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」
③ たえずある人のもとへ行く。一つの所へ、いつも通う。多く、交際する、つきあうことにいう。行き通う。
※後撰(951‐953頃)恋三・七三二「あつま地にゆきかふ人にあらぬ身はいつかはこえん相坂の関〈好古女〉」

ゆき‐かい ‥かひ【行交】

〘名〙 行きかうこと。ゆきき。往来。
※相模集(1061頃か)「名のみしてあと絶えにけりゆきかひのあふ坂ならぬほかのせきみち」
※ふらんす物語(1909)〈永井荷風再会乗合馬車混雑、馬車自動車の行交(ユキカヒ)

いき‐か・う ‥かふ【行交】

〘自ワ五(ハ四)〙 行ったり、来たりする。往来する。ゆきかう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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