往来(読み)オウライ

デジタル大辞泉の解説

おう‐らい〔ワウ‐〕【往来】

[名](スル)
行ったり来たりすること。行き来。「車が激しく往来する」
人や乗り物が行き来する場所。道路。「往来で遊ぶ」
互いに行ったり来たりすること。交際。「足しげく往来する間柄」
感情や考えが、心中に現れたり消えたりすること。去来。
「いろいろな人たちのことがわたしの胸を―した」〈藤村千曲川のスケッチ
手紙などのやりとり。また、往復書簡。
書簡文の模範文例集。→往来物
往来物」の略。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

おうらい【往来】

( 名 ) スル
行ったり来たりすること。 「車が激しく-する」
人の行き来する道路。街道。 「 -は子供の遊び場だった」
考えなどが浮かんだり消えたりすること。去来。 「胸中を-する思い」 「意識の閾の下を、此娘の影が-してゐた/青年 鷗外
人と人との交際。つきあい。 「両家の間には-があった」
往復の書簡。また、それを集めたもの。 「庭訓ていきん-」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

おう‐らい ワウ‥【往来】

〘名〙
① (━する) 人や事物が行ったり来たりすること。また、その人。
(イ) ある場所へ、また、ある道をゆききすること。行ったり帰ったりすること。ゆきき。通行。
※万葉(8C後)四・五三六・左注「未幾時既絶往来月之後更起愛心」 〔詩経‐小雅・巧言〕
(ロ) 互いにゆききすること。交際すること。
※日本読本(1887)〈新保磐次〉六「西は東を攻め、南は北と戦ひ、物を掠め土地を奪ふ習ひなりしかば、相往来するの心はなく」
(ハ) 補任すること。〔醍醐寺新要録(1620)〕
(ニ) (考えなどが)消えたり浮かんだりすること。
※半日(1909)〈森鴎外〉「こんな考は余程早くから博士の胸に往来してゐる」
② 廻国修行の行脚(あんぎゃ)
※謡曲・鵜飼(1430頃)「げに往来の利益こそ、他を助くべき力なれ」
③ 人や乗り物が行き来する道。道路。街道。
※艸山集(1674)二二・谷口歌「山水雖愛、恨接往来幽邃
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉三「往来へ出ると何もしないで店先の看板ばかり見て歩行(ある)いて居る」
④ 手紙。特に往復書簡。また、そのやりとり。訪問時の贈答。
※宇津保(970‐999頃)国譲中「わうらい月日書きてせん立てて、御名し給へり」
⑤ 手紙。特に往復書簡を集めて手習いの手本としたもの。近世では、寺子屋の教科書などに用いられた。「明衡往来」「庭訓往来」など。→往来物
※壒嚢鈔(1445‐46)一「庭訓の往来の詞に」
※歌舞伎・八重霞曾我組糸(1823)序幕返し「疑がやるなら順礼の、この往来(ワウライ)が慥(たし)かな証拠」
⑦ 熱が出たり引いたりすること。「寒熱往来」
⑧ 相場が一定の範囲内を上下して、大幅な値動きをしないこと。持合い。

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