行基葺き(読み)ギョウキブキ

デジタル大辞泉 「行基葺き」の意味・読み・例文・類語

ぎょうき‐ぶき〔ギヤウキ‐〕【行基×葺き】

本瓦葺きの一。丸瓦下方末広がりとなったものを用い、下方に置く丸瓦の細いほうを覆うように順々に重ねて葺いたもの。法隆寺金堂玉虫厨子たまむしのずし屋根にみられる。

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精選版 日本国語大辞典 「行基葺き」の意味・読み・例文・類語

ぎょうき‐ぶきギャウキ‥【行基葺】

  1. 〘 名詞 〙 本瓦葺き屋根の葺き方の一つ。円瓦の一端を他の端より細くし、上の瓦の太い方で下の瓦の細い方を覆うように順々に重ねて葺いたもの。法隆寺金堂内の玉虫厨子宮殿や奈良市にある元興(がんごう)寺極楽坊本堂の屋根などに見られる。

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世界大百科事典(旧版)内の行基葺きの言及

【瓦】より

…瓦といえば,今日では一般に桟瓦(さんがわら)を連想するが,古くは丸瓦と平瓦を組み合わせて葺き上げていく方法,すなわち本瓦葺きが基本的な葺き方であった。日本では瓦作りが始まった当初から,丸瓦は重なりを考慮して一方を狭く作る行基葺き式のものと,重なりの部分に玉縁のつくものとが混在していた。そして永い歴史を経た末,江戸時代にいたって丸瓦と平瓦を組み合わせて1枚とした形の桟瓦が考案された。…

【屋根】より

…平瓦は木口をみせて重ねて葺き,丸瓦は後ろの重なる部分に玉縁がついていて,葺上りは木口をみせない。丸瓦に玉縁をつけず全体を先細りにし,木口をみせて重ね葺きするものを行基葺き(ぎようきぶき)という。行基葺きはおもに平安時代から鎌倉時代にかけて行われた。…

※「行基葺き」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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