改訂新版 世界大百科事典 「表面温度計」の意味・わかりやすい解説
表面温度計 (ひょうめんおんどけい)
surface temperature sensor
物体の表面層の温度を測定するための温度計。接触式と非接触式とに大別される。前者の実例として,小型の熱電温度計やサーミスター温度計を物体の表面に押し付けて温度を測る形式のものがあげられるが,温度計を押し付ける操作に伴って表面温度そのものが変わってしまうことのないよう注意する必要がある。一方,非接触式の代表例は各種の放射温度計であって,その使用の際には表面温度そのものが変わるおそれは事実上ないが,表面の見かけの温度から真の温度を求めるためには表面の放射率を知っておく必要がある。より確実に表面温度を測ろうとするときには,補助熱源と複数個の温度検出素子を用いて,表面温度が乱されないことを確認しつつ測定するなどの方法が有効で,そのような構成の表面温度計の製品も見られるようになった。なお,液晶やある種の塗料を表面に付着させておよその温度やその分布を知る方法もよく使われる。
執筆者:高田 誠二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報