被覆作物(読み)ひふくさくもつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「被覆作物」の意味・わかりやすい解説

被覆作物
ひふくさくもつ

畑地が風や雨水などによって侵食されるのを防ぐために植える、地面を覆うように茂る性質のある作物をいう。被覆作物の条件としては、多年生冬場も地面を覆う越冬性の強いことも重要である。庭園ゴルフ場などのシバ類や、牧草畑におけるクローバー類などがその例で、イネ科マメ科の多くの牧草は傾斜地に栽培されて、風食や雨食から土壌を守る働きをしている。

[星川清親]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の被覆作物の言及

【作物】より

…また,たとえばクローバーの牧草地を作るのに,まず初期生育が早く,雑草などの侵入を防ぐことに役だつエンバクを混播(こんぱん)しておくが,この場合のエンバクを随伴作物(コンパニオン作物)という。(6)栽培技術上の目的によって,たとえば前作物と後作物の間の裸地の土壌流失を防ぐために植える作物類を捕捉(ほそく)作物,果樹園の下地の土壌流失を防ぐための牧草類などを被覆作物,主作物に対し強い日照を防ぐ目的で間作されるものを被陰作物などと呼ぶ。
[作物の起源]
 狩猟や採集により食物を得ていた人類は,山野から野生植物の種や果実,いもなどを集めているうちに,植物の生長や繁殖についての型式を理解するようになったと思われる。…

※「被覆作物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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