ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イネ科」の意味・わかりやすい解説
イネ科
イネか
Gramineae
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単子葉植物。おもに草であるが、タケ亜科のものはすべて木である。中国名は禾本(かほん)科。いままではユリ科に類縁があると考えられていたが、最近の分類系ではツユクサの仲間にもっとも関連が深いと信じられている。
花は通常両性、規則正しく左右2列に並んだ包葉(外から第1、第2包穎(ほうえい)、護穎、内穎)に囲まれ、小穂を形成する。花被(かひ)は通常2枚、微細な鱗被(りんぴ)に退化し、雄しべは3(1~多数)本、葯(やく)は2室で丁字(ていじ)状に花糸につく。雌しべは1室1胚珠(はいしゅ)、柱頭は通常羽毛状をなし、2(1~3)本。果実は乾果(穎果(えいか))で、薄い果皮と種皮は密着し、基部外側に胚(はい)をもち、胚乳はデンプン質である。葉は2列に並び、上部につくのは葉身で通常は細長く、基部は葉鞘(ようしょう)になって茎を抱く。葉身と葉鞘の継ぎ目に葉舌(ようぜつ)があり、葉耳(ようじ)をもつこともある。小穂は1ないし多数の小花をもち、包穎は中に花をもたない。小花は外側に護穎、その内側に2脈もつ内穎があり、花部を包む。小花間には小軸がある。
世界に広く分布し、約700属、8000種を数える。作物、芝生、雑草として普通にみられる。茎が木質のタケ亜科、熱帯に根拠地をもつイネ亜科、湿地に多いダンチク亜科、温帯にみられるイチゴツナギ亜科、暑さや乾燥に強いヒゲシバ亜科、2小花をもち暖地に生育するキビ亜科などに分けられる。日本では、北海道から九州にかけてはイチゴツナギ亜科の仲間が主であるが、温暖な沖縄ではキビ亜科の仲間が主になる。
[許 建 昌 2019年8月20日]
APG分類でもイネ科とされる。
[編集部 2019年8月20日]
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