補欠分子族(読み)ホケツブンシゾク

化学辞典 第2版 「補欠分子族」の解説

補欠分子族
ホケツブンシゾク
prosthetic group

補酵素と同様にタンパク質と結合し,酵素活性を発現する低分子化合物をいう.補酵素とは異なり,タンパク質部分に共有結合あるいは配位結合などにより強固に結合している.たとえば,シトクロムcは鉄ポルフィリンを補欠分子族とする酵素で,この場合の補欠分子族は,ペプチド鎖のシステイン残基のSH基とポルフィリン環との間でチオエーテル結合し,電子伝達の機能を果たしている.補欠分子族を広義の補酵素に入れる場合もある.[別用語参照]ホロ酵素

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栄養・生化学辞典 「補欠分子族」の解説

補欠分子族

 酵素の活性に不可欠な非タンパク質性の物質で,通常タンパク質部分と共有結合などで強く結合しており,透析などで除去できないもの.脂質,糖,金属イオンリン酸,補酵素,色素などがある.シトクロムcヘムコハク酸デヒドロゲナーゼFADなど.酵素以外のタンパク質についても拡大していうことがある.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「補欠分子族」の意味・わかりやすい解説

補欠分子族
ほけつぶんしぞく

配合族」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の補欠分子族の言及

【補酵素】より

…酵素の活性発現のためには,タンパク質以外の分子が,可逆的にタンパク質成分に結合することが必要条件とされるものが少なくない。それらの分子を補欠分子族prosthetic group,または配合団と呼ぶが,金属原子,各種の無機アニオン,カチオンなどを除き,有機分子として作用するものを補酵素と呼ぶ。補酵素を解離させた残りのタンパク質部分をアポ酵素apoenzyme,アポ酵素に補酵素が結合したものをホロ酵素holoenzymeと呼ぶ。…

※「補欠分子族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」