褄取(読み)つまどり

精選版 日本国語大辞典 「褄取」の意味・読み・例文・類語

つま‐どり【褄取】

〘名〙
① (━する) 裾の長い着物の褄を取って裾をからげること。竪褄(たてづま)を手で持ち上げて歩くこと。
書紀(720)継体七年九月・歌謡「我入り坐(ま)し 脚(あと)取り 都磨怒唎(ツマトリ)して 枕取り 都磨怒唎(ツマトリ)して 妹が手を われに枕(ま)かしめ」
② (━する) 相撲のきまり手の一つ。横から相手にくいさがるような体勢になり投げを打ち、泳がせたところを片手で相手の足首またはつま先を取りうしろに引き上げて前にはわせる技。
平家(13C前)八「名虎・能雄よりあふて、ひしひしとつまどりしてのきにけり」
※鎧色談(1771)(古事類苑・兵事三九)「総体を白糸にて威して、袖草摺両耳を別の色の糸にて、つまどりたるを云也、〈略〉端をいろどる故、つまどりと云也」

つま‐ど・る【褄取】

〘他ラ四〙
① 鎧(よろい)の袖または草摺(くさずり)の端を三角形に、地の色とは別の色の糸や革で威(おど)す。褄を取る。
太平記(14C後)三二「洗ひ皮の鎧の妻取たるに龍頭(たつがしら)の甲(かぶと)の緒を縮五尺計なる太刀二振帯(はい)て」
② 裾の長い着物の褄を取って裾をからげたり、持ち上げたりする。褄を取る。〔和英語林集成初版)(1867)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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