化学辞典 第2版 「複融点」の解説
複融点
フクユウテン
double melting point
一つの物質に二つ以上観測される融点のこと.多くの純グリセリドに認められる珍しい現象で,加熱すると一度溶融するが,さらに温度を上昇させるとふたたび固化し,さらに高い温度でまた溶解する.たとえば,ステアリン酸のグリセリドであるトリステアリンは55 ℃ および71~72 ℃ の複融点をもつ.一般には,低融点は不安定型で,高融点は安定型であり,それぞれの結晶形の転移点に相当するものと考えられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報