日本歴史地名大系 「西川津村」の解説 西川津村にしかわつむら 島根県:松江市旧島根郡地区西川津村[現在地名]松江市西川津町菅田(すがた)村および松江城下の北田(きたた)町・南田町の東に位置し、南は大橋(おおはし)川を挟んで意宇(いう)郡松江分。村内を西へ弧を描くように朝酌(あさくみ)川(川津川)が南流し、同川左岸の村中央部に楽(らく)山がある。中世は長田西郷に含まれ、地内の朝酌川下流域に市場として長田市庭が存在した。永仁七年(一二九九)二月一一日の鎌倉将軍家下知状(飯野八幡宮文書)に長田西村のうちとして市成(いちなり)村・市庭(いちば)村などがみえるが、市成村は地内に市成(一成とも記された)の通称が残り、市庭村は長田市庭の所在地であろう。堀尾時代城下図および延享城下図では松江城下東方の入江・沼沢地として描かれる。正保国絵図に村名がみえ、「西川津ノ内一成」とあるのは中世の市成村の遺称であろう。慶安五年(一六五二)の西河津村御検地帳によると田方八六町一反(分米一千七七石余)・畑方二〇町一反余(分米一〇八石余)、屋敷数は御役屋敷五〇・引方屋敷二二(うち御蔵屋敷・庄屋各一)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報