日本歴史地名大系 「西海巡見志」の解説
西海巡見志
さいかいじゆんけんし
一〇冊
成立 寛文七年
分類 地誌
原本 水戸彰考館(戦災により焼失)
写本 愛媛県立図書館(伊予国 一冊)
解説 寛文年間山陽道・南海道・西海道の沿海各地域の調査を命ぜられた幕吏の報告書。一〇冊中の一冊が伊予国であって、当時伊予国の沿岸・島嶼に立地していた村落を漏らさずあげたうえ、(一)浦伝い隣村との距離、(二)港湾の形状・風位・州瀬の状況、(三)村高、(四)家数、(五)舟数と舟の石数・船の種類、(六)加子数および役加子数、(七)高札場、(八)遠見番所・船番所、(九)灯明台などにつき記述し、終りに藩領・代官所ごとに(一)―(九)の各項目につき総計をあげている。寛文頃の沿岸諸村の状況を知るうえで重要な史料である。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報