西谷村又兵衛(読み)にしたにむら・またべえ

朝日日本歴史人物事典 「西谷村又兵衛」の解説

西谷村又兵衛

没年:文政3(1820)
生年:生年不詳
文政1(1818)年12月,大和国吉野郡竜門郷で起きた一揆指導者ひとり。吉野郡西谷村(奈良県吉野町)の住人。竜門郷15カ村は旗本中坊氏の領知であったが,同年12月代官浜島清が現地に赴き年貢の増徴を強行しようとしたため,又兵衛同村源八と語らい張札をして人を集め,15日夜,寺の鐘を合図平尾村の代官所に押しかけ打ちこわし,さらに大庄屋宅を打ちこわした。この騒ぎのなかで浜島は,村人によって殺害された。その後又兵衛は奈良奉行所の手で捕らえられ,吟味,奈良市中引き回しのうえ,獄門極刑に処せられた。同地の手毬歌の中に「又兵衛さん」として歌い込まれた。<参考文献>『吉野町史

(藪田貫)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「西谷村又兵衛」の解説

西谷村又兵衛 にしたにむら-またべえ

?-1821* 江戸時代後期の農民
大和西谷村(奈良県吉野町)の住人。竜門騒動とよばれる百姓一揆(いっき)の指導者のひとり。文政元年旗本中坊氏領竜門郷の代官浜島清兵衛の増税に対し,同村の源八とともに強訴をよびかけ,代官所をおそって浜島を殺した。翌年捕らえられ,3年12月処刑された。

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