解離圧(読み)カイリアツ

化学辞典 第2版 「解離圧」の解説

解離圧
カイリアツ
dissociation pressure

固体化合物の熱分解気体を生じるとき,固相平衡にある気体の圧力.たとえば高温における,

CaCO3(s) CaO(s) + CO2(g)

の異相平衡において温度一定で,二つの固相が共存するかぎり,CO2 の圧力は一定値を示す.相律によれば,P = 3,C = 2であるから,自由度は1となり,一定温度では圧力は一定となる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の解離圧の言及

【解離】より

…これらの値は,二原子分子をつくる化学結合の強さを表し,結合エネルギーとも呼ばれる。固体物質の熱解離により気体物質をつくる場合,たとえば炭酸カルシウムの解離反応 CaCO3(s)⇄CaO(s)+CO2(g)で,二酸化炭素CO2の平衡分圧は温度のみによる定数となり,これを炭酸カルシウムの解離圧という(かっこ内のsは固相,gは気相を表す)。その値は25℃で1.5×10-23気圧で,温度が高くなるとともに大きくなり,897℃で1気圧になる。…

※「解離圧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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