熱分解(読み)ネツブンカイ

化学辞典 第2版「熱分解」の解説

熱分解
ネツブンカイ
pyrolysis, thermal decomposition

加熱によって分子が分解すること.光分解放射線分解電気分解などに対する用語として用いられる.多くの場合,分解では遊離基が生じ,それがほかの分子と反応する.熱反応の開始には容器の壁などが触媒となっていることが多い.ほとんどの燃焼反応がこれに属し,燃焼による発熱が別の分子の熱分解を助長する.その極端な場合が爆発反応である.また,ナフサの熱分解や重合開始剤の比較的低温での熱分解など,工業的に重要な反応はほとんど熱分解反応である.

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百科事典マイペディア「熱分解」の解説

熱分解【ねつぶんかい】

クラッキング,分解蒸留とも。加熱によって化合物をより安定ないくつかの化合物に分解すること。石油精製工程では,重質油留分を高温高圧下に分解し,分解ガソリンを採取していたが,得られるガソリンはオクタン価があまり高くなく,安定性も低いので接触分解にとって代わられ,現在では熱分解はガスやナフサなどの生産に利用されている。
→関連項目ガソリン原油コーキング石油

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精選版 日本国語大辞典「熱分解」の解説

ねつ‐ぶんかい【熱分解】

〘名〙 物質に熱を加えた時に起こる分解反応。石油のクラッキングなど。

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世界大百科事典 第2版「熱分解」の解説

ねつぶんかい【熱分解 thermal cracking】

化合物を加熱して,より安定ないくつかの化合物へと分解すること。クラッキング,分解蒸留ともいわれる。これは一般的に熱分解反応と呼ばれるが,とくに石油類の熱分解は単一化合物の熱分解反応ではなく,高分子混合物に用いて有用な分解生成物を得る工業的に重要な技術であり,触媒を用いて行われる接触分解と対比される。石油の熱分解はその目的によっていろいろな技術があるが,元来は,石油の重質留分を分解して需要の多いガソリンを増産する目的で,20世紀の初めにおもにアメリカで開発され,普及した。

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世界大百科事典内の熱分解の言及

【石炭ガス化】より

…石炭を原料として燃料ガスあるいは化学工業用の合成ガス(一酸化炭素と水素を主成分とする混合ガス)あるいは水素を生産することができる。石炭をガス化するためには,(1)熱分解(乾留),(2)部分酸化,(3)水素化分解などの原理を用いるが,そのいずれを採用するかは,目的とするガスの種類による。石炭ガス化技術はすでに工業的な実績をもつものも多いが,1970年ころから,その技術開発が再開された。…

※「熱分解」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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