改訂新版 世界大百科事典 「記里鼓車」の意味・わかりやすい解説
記里鼓車 (きりこしゃ)
jì lǐ gǔ chē
中国,晋王朝(265-420)以来,皇帝が外出するときの行列に加えられた車の一つで,車の回転数により走行距離を測る装置である。車上に木製の人形がおり,1里を行くごとに太鼓を打ちならした。西暦前1世紀末に書かれたローマのウィトルウィウスの《建築十書》に書かれた〈行程車〉や江戸時代に伊能忠敬が測量に使用した〈量程車〉はいずれも同じ原理であるが,両者はいずれも歯車仕掛けで車輪の回転数を読みとるもので,太鼓や木製の人形などはない。
執筆者:藪内 清
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報