診断用医薬品(読み)しんだんよういやくひん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「診断用医薬品」の意味・わかりやすい解説

診断用医薬品
しんだんよういやくひん

疾病の診断や臓器の機能を調べる目的で用いられる医薬品。生体に直接投与して、その反応から判断するものと、血液や尿など検査材料を用いて行う検査用試薬がある。前者の例としては次のようなものがある。(1)消化機能検査 塩酸ベタゾール(「ヒスチミン」)、テトラガストリン、ペンタガストリン、(2)肝機能検査 スルホブロモフタレインナトリウム、インドシアニングリーン、(3)腎(じん)機能検査 インジゴカルミンフェノールスルホンフタレイン、パラアミノ馬尿酸ナトリウム、(4)膵(すい)機能検査 セルレインセクレチンパンクレオザイミン、(5)脳下垂体機能検査 メチラポン、酢酸ゴナドレリン、プロチレリン、(6)その他 メシルフェントラミン、グルカゴン、フルオレセインナトリウム、ベンチロミド、塩酸‐L‐アルギニンなど。X線造影剤も診断用であり、放射性医薬品の多くがこの目的で使用される。ツベルクリンなどの生物学的製剤も診断用医薬品である。後者の例には、各種の一般検査用試薬、血液検査用試薬、生化学的検査用試薬などがあげられる。

[幸保文治]

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