グルカゴン(その他表記)glucagon

翻訳|glucagon

デジタル大辞泉 「グルカゴン」の意味・読み・例文・類語

グルカゴン(glucagon)

膵臓すいぞうランゲルハンス島αアルファ細胞から分泌されるホルモン肝臓グリコーゲン分解して血糖量を増加させる。

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改訂新版 世界大百科事典 「グルカゴン」の意味・わかりやすい解説

グルカゴン
glucagon

ペプチドホルモンの一つで,肝臓に作用しグリコーゲンを分解して血液中の糖分ブドウ糖)を上昇させる。またアミノ酸からの糖新生や脂肪組織における脂肪分解を促進する。これらの作用は,グルカゴンが標的器官(肝臓,脂肪組織など)の細胞膜上に存在する特異的受容体(レセプター)と結合して,細胞内環状AMP産生を増加させることによる。グルカゴンは膵臓ランゲルハンス島にあるA(α,α2)細胞で合成,分泌されるが,このアミノ酸29個からなる分子量約3500の膵グルカゴンのほかに,より分子量の大きいいくつかの膵外グルカゴン腸管などで見いだされている。グルカゴンは,糖尿病(ケトージス),グルカゴン産生腫瘍(グルカゴノーマ),ストレス,腎機能不全などで増加する。臨床応用として低血糖症に対して用いられる場合もある。
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化学辞典 第2版 「グルカゴン」の解説

グルカゴン
グルカゴン
glucagon

ペプチドホルモンの一つ.膵臓中に存在し,血糖上昇作用をもつ物質で,インスリンとは反対の作用を示す.アミノ酸29個から構成される直鎖状のペプチドで,血糖上昇作用は主として肝臓におけるグリコーゲンの分解,糖新生作用を介してなされる.また,冠血流増強作用,心筋収縮力増強がみられる.これらの作用により低血糖症の治療に用いられている.一方,臨床検査にも利用されている.[CAS 9007-92-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「グルカゴン」の意味・わかりやすい解説

グルカゴン

膵臓(すいぞう)のランゲルハンス島のA細胞から分泌されるホルモン。29個のアミノ酸よりなる一本鎖ポリペプチド。分子量約3500,前駆体プログルカゴンから合成される。インシュリンとは反対に,肝臓のグリコーゲンがブドウ糖に分解するのを促し,血糖量上昇の作用をもつ。
→関連項目膵臓ランゲルハンス島

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グルカゴン」の意味・わかりやすい解説

グルカゴン
glucagon

膵臓ランゲルハンス島のα細胞で生成されて分泌される血糖上昇ホルモン。近年,膵臓以外の胃,十二指腸粘膜などにもα細胞が存在するといわれる。抗インスリン作用があり,グリコーゲンの分解を促進して,血糖を上昇させる。また,肝臓の蛋白質,血漿アミノ酸およびピルビン酸からの糖新生も促進する。

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栄養・生化学辞典 「グルカゴン」の解説

グルカゴン


 膵臓のα細胞で産生されるホルモンで,血糖値を上昇させ肝臓のタンパク質分解を促進する.肝臓に作用し細胞内のcAMP濃度を上昇させ,Aキナーゼ系を活性化してグリコーゲン分解などを促進する.

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世界大百科事典(旧版)内のグルカゴンの言及

【ホルモン】より

…しかし,魚類から鳥類までの動物では独立の組織塊として存在する。(6)膵臓ホルモン インシュリン,グルカゴンの二つがある。前者はB細胞でプロインシュリンとして生産される。…

※「グルカゴン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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