評定沙汰(読み)ひょうじょうざた

山川 日本史小辞典 改訂新版 「評定沙汰」の解説

評定沙汰
ひょうじょうざた

鎌倉幕府訴訟制の一つで,一般に引付方(ひきつけかた)で作成された判決原案評定所において評議・決定すること。「沙汰未練書」によれば,関東では執権・連署,六波羅(ろくはら)では南北両探題と,引付頭人全員がそろってはじめて開催される。くじで意見をいう順番を決めると,担当の奉行が判決原案(引付勘録)を読みあげる。順に意見をのべ,原案に問題がなければそれを判決とし,非であれば再び引付に差し戻す。こうして出た結論を原案の右端に書き付けて落居(らっきょ)となる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の評定沙汰の言及

【評定】より

…以後,執権連署と15名前後の評定衆とで行う評定が,幕府の最高決裁機関となった。御家人の所領に関する訴訟は,専門の裁判機関である引付での審理を経たのち評定にかけられる定めであり,これを評定沙汰と称した。朝廷においても後嵯峨院政期に,若干名ずつの上流廷臣と実務家中流廷臣とから成る評定衆が置かれた。…

※「評定沙汰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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