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くじ くじ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

くじ
くじ

卜占法の一つ。神意を問う手段の一つとして行われたが,のち次第に呪術的要素を失って,単に物事を選定する手段の一つとして行われるようになった。伝統的なくじの方法には,玉くじ,引きくじ,振りくじなどがあるが,地方により種々の変形が行われる。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

くじ
くじ / 鬮・籤

紙片や木片に語句や印(しるし)をつけておき、それを人々が引いて、いろいろなことを決める方法。順番を決めたり、大ぜいの人のなかから特定の人を選出したり、また吉凶や勝敗を決めたりする。くじは「みくじ」というように、本来は神前においてこれを引き、神のお告げを聴くものであった。『日本書紀』の斉明(さいめい)紀に、有間(ありま)皇子が謀反のことで短籍(ひぬりぶみ)をとって占ったとある。短籍とはくじのことであるという。『続日本紀(しょくにほんぎ)』には、聖武(しょうむ)天皇が正月に百官を大安殿に召して酒食を賜り短籍をとらせ、それにそれぞれ書かれている仁義礼智(ち)信の五つの文字に従って物を賜ったとある。また『貞丈雑記(ていじょうざっき)』には『南朝紀伝』を引用して、正長(しょうちょう)元年(1428)正月、将軍不例に際し畠山満家(はたけやまみついえ)を石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)に詣(もう)でさせ、みくじをとって後継者を決めたとある。近世になると江戸や大坂をはじめ諸地方で富籤(とみくじ)というのが流行した。これに類するものは鎌倉時代の末期にもあったといわれるが、近世になるといろいろと弊害が生じた。そこで1692年(元禄5)に幕府は町奉行(まちぶぎょう)から御触(おふれ)を出して禁止したが、のちにはこれを公許した。江戸では社寺が富籤を盛んに興行するようになり、寺社奉行がこれを管轄した。
 くじは今日では宝くじがあり、年中全国で売り出されている。また社寺ではおみくじを引かせるところがある。小銭(こぜに)を投じてくじ札を開いてみるのや、筒の中に小さい串(くし)が入っていて、それを振り出して吉凶を知るものもある。
 しかし個人の吉凶の判断とは違って、公共性を帯びたものとしては、各地の神事祭礼に氏子のなかから頭屋頭人(とうやとうにん)といわれる神役(かみやく)を選定するのに、みくじを用いる例がある。氏子のなかで神役となる資格のある者が名前を書いた紙片を三方の上にのせ、その上で御幣(ごへい)を振り、舞い上がって御幣に付着した名札の者を頭屋とするのである。町村の経済生活に広く行われたものに、頼母子講(たのもしこう)とか無尽(むじん)とかがある。それに参加した者が掛け金をし、一定の時期にくじ引きをして、当たった人に金を落とすのである。農村には屋根無尽、布団(ふとん)無尽、蚊帳(かや)無尽などがあり、また馬無尽というのもあり、いずれもそれらのものを購入する資金として、くじに当たった人に融通するものであった。また救済無尽というのもあって、困っている人を助けるためで、第1回の金だけはその人に渡すことにしていた。そのほか村の生活では、牧草地など共有地の利用をするとき、くじ引きによって区域を割り当てることも行われていた。また地割り制の行われていた土地では、同様にくじ引きによって割り地を定めていた。[大藤時彦]

人類学

占断法は文化により多様であるが、紙片・竹片・石などに文句または符号を記し、それらを投げる、落とす、打つ、もしくはそれらの一つを抜き取って、吉凶、勝敗、順序などを決定する。たとえば無文字社会では、物を投げたり浮かべたりして占う。アフリカのカメルーン西部では、神託用の笊(ざる)の中にセンザンコウの殻、水晶、樹皮、貝殻、骨などを入れ、笊を回して地上にそれらを飛び出させ、その位置によって答えを得る。また、未来を占うとき、ヨルバ人ではシュロやコーラヤシの実を投げ、アフリカ中部のウバンギ地方では水にアシを浮かべ、そこから徴候を読み取る。ラオス山地のタイ人では、貨幣を投げて、病人に祟(たた)りを及ぼした悪霊の名を当てる。
 一方、文明社会では、紙片に文字を書き付けて、その意味を判じる方法がよく用いられる。古代ローマでは、くじは元来、獲物の分け前を決める方法であったが、のちに格言や諺(ことわざ)を刻したくじを引いて、出た文句からさまざまな問題の答えを求める方法へ変化し、後世さらに、使われる文言は、格言や諺から、ウェルギリウスの詩句、ホメロスの詩篇(しへん)、聖書などに変わった。中国には、古来の名文句を記した籤詩(せんし)から意味を判じる運勢占いや、薬の処方を示した薬籤(やくせん)などがあるが、これらは籤筒の中から棒を1本引いて、それに記された番号と同じ番号の紙片の文句から占断する。[木内裕子]

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