詞綜(読み)しそう(その他表記)Ci-zong

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「詞綜」の意味・わかりやすい解説

詞綜
しそう
Ci-zong

中国の選集。清の朱彝尊 (しゅいそん) の編。 34巻。編者が,当時宋詞の選集として最も広く読まれていた『草堂詩余』が南宋初期の編纂のもので,それ以後の作品を欠いていることにあきたらず,友人の汪森の協力を得て新しい詞の典範として編んだもの。「雅正」を最も尊び,小令 (短い詞) は北宋以前,慢詞 (長い詞) は南宋を重視するという立場から,唐,宋,金,元の詞家五百余人の詞 2254首を収める。それぞれの別集および諸選集から選んだほか,随筆筆記の類からも採録しているので,他書にみえない作品も多く,また姓名経歴,出身地などについても詳しく考証して誤りを正してあり,選択も厳正で,詞の選集として最も重要な書の一つ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の詞綜の言及

【朱彝尊】より

…明詩の選集《明詩綜》100巻を編み,彼の〈静志居詩話〉を詩人小伝のあとに分付する。唐・宋・金・元の詞を選んだ《詞綜》34巻は選録の精確さをもって知られる。その詩文および詞をみずから編した《曝書亭集》80巻がある。…

※「詞綜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android