中国,清初の学者,詩人。字は錫鬯(せきちよう),号は竹垞(ちくだ)。浙江省秀水(嘉興県)の人。若くしてその詩は呉偉業,王士禎に賞せられ,学問は顧炎武,閻若璩らの敬意を受けている。広東をはじめ全土に及ぶ旅行にも《十三経》《廿一史》をたずさえ,著述に努めた。51歳の1679年(康煕18)に行われた博学鴻詞科に挙げられ,翰林院検討として《明史》の編纂に参与し,ついで日講起居注官,江南郷試の副考官を務め,61歳で致仕して著述に専念した。著には,歴代経営の書の沿革存亡を明らかにした《経義考》300巻,北京の故実を語る《日下旧聞》42巻がある。詩は学力にものをいわせた長編を自在に作り,艶体の作もある。詞は清詞の主流である浙派の開祖とされる。明詩の選集《明詩綜》100巻を編み,彼の〈静志居詩話〉を詩人小伝のあとに分付する。唐・宋・金・元の詞を選んだ《詞綜》34巻は選録の精確さをもって知られる。その詩文および詞をみずから編した《曝書亭集》80巻がある。
執筆者:近藤 光男
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中国、明(みん)末清(しん)初の文人、学者。字(あざな)は錫鬯(せきちょう)。号は竹坨(ちくだ)。16歳で明の滅亡にあい、以後清朝に仕えず、在野の学者、詩人として名が高かったが、康煕帝(こうきてい)が知識人懐柔策として博学鴻詞(こうし)科を設けた際、51歳で召しに応じて翰林院(かんりんいん)に入り明史編纂(へんさん)官に任ぜられたことは有名。まもなく官を辞し、以後郷里で著述に専心。『経義(けいぎ)考』300巻その他を著す。詩、文ともに当代一流の名あり、広い学力を駆使した詩は王士禎(おうしてい)と並び称され、詞は南宋(なんそう)を尊び浙西(せっせい)派の祖とされる。『曝書亭(ばくしょてい)集』80巻。編著に『明詩綜(みんしそう)』『詞綜』など。
[伊藤虎丸 2016年3月18日]
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…宋の石刻の学は,北宋末の趙明誠《金石録》30巻,南宋洪适(こうかつ)の《隷釈》27巻,《隷続》21巻と続く。金文と同様に研究の次の頂点は清代で,顧炎武《金石文字記》6巻,朱彝尊(しゆいそん)《金石文字跋尾》6巻がその口火を切った。 石刻研究は,石刻と歴史文献との差異を考証する方向と,文字を書法,芸術作品として扱う方向に大別される。…
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