語らひ付く(読み)カタライツク

デジタル大辞泉 「語らひ付く」の意味・読み・例文・類語

かたらい‐つ・く〔かたらひ‐〕【語らひ付く】

[動カ四]語り合って親しくなる。むつまじくなる。
「その御局の人によく―・き給ひて」〈栄花・さまざまの喜び〉
[動カ下二]
親しく語り合って事を託す。依頼する。
「故大納言の…―・け給へる心たがへじと」〈夕霧
味方に引き入れる。手なずける。
「かかる者をなむ―・けて置きためる」〈・八七〉

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精選版 日本国語大辞典 「語らひ付く」の意味・読み・例文・類語

かたらい‐つ・くかたらひ‥【語付】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 カ行四段活用 〙 話しかけてなじみとなる。いろいろ持ちかけて親しくなる。夫として通っていく。
    1. [初出の実例]「あて宮の御乳母子、かたちも清げに心こそある人、兵衛の君とて侍らふに、かたらひつき給て」(出典:宇津保物語(970‐999頃)藤原の君)
    2. 「いかなる人のしわざにか、兵部卿の宮なむ、しのびてかたらひつき給へりけるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若紫)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
    1. 親しく話してことを託す。依頼する。
      1. [初出の実例]「いと尊き老僧の、あひ知りて侍るに、いひかたらひつけ侍りぬると聞ゆ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
    2. 話しかけてなじませる。てなずける。
      1. [初出の実例]「かかる者をなんかたらひつけておきためる」(出典:枕草子(10C終)八七)

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