説経師(読み)セッキョウシ

精選版 日本国語大辞典 「説経師」の意味・読み・例文・類語

せっきょう‐しセッキャウ‥【説経師】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「せっきょうじ」とも ) 経文の意味を説き聞かせる人。説経者。せぎょうじ。
    1. [初出の実例]「其比仲胤已講と申し説経師の日吉の御宝前にて名句申たる事侍りける」(出典:康頼宝物集(1179頃)中)
  3. せっきょうがたり(説経語)
    1. [初出の実例]「其頃は説経師はやりけるゆへ女郎の座敷へも太夫行てせっきゃうを語りける」(出典:随筆・吉原雑話(1781‐89頃))

せきょう‐じセキャウ‥【説経師】

  1. 〘 名詞 〙せっきょうし(説経師)
    1. [初出の実例]「説経師は顔よきほど、つとまもらへたるこそ説くことのたふとさもおぼゆれ」(出典:能因本枕(10C終)三九)

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世界大百科事典(旧版)内の説経師の言及

【蟬丸】より

…これは,現在滋賀県大津市にある蟬丸神社につながる〈蟬丸信仰〉である。蟬丸が,平曲を語った放浪の盲僧たちの集団によって信仰されたのはいうまでもないが,やや時代が下っては,やはり放浪の芸能民である説経師によって祖神として信奉された。江戸時代には,説経節を語る説経師に限らず,琵琶法師,瞽女(ごぜ),歌念仏,辻能狂言師,辻角力,人形操師,見世物,放下師(ほうかし),祭文師,白拍子,三味線弾,傀儡(くぐつ)遊女など広く諸国をめぐる放浪の芸能民集団の多くは近松寺(こんしようじ)を通じて巻物を下付されて蟬丸宮の支配に属していた。…

※「説経師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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